旅行や出張で海外に出掛けたら、現地の方と円滑なコミュニケーションを楽しもうと、その国の言葉を少し覚えてみたくなりますよね。
では、これだけは絶対覚えたい言葉、ベスト3を予測!
ズバリ、「こんにちは」「さようなら」そして、お礼の言葉「ありがとう」ではないでしょうか。
世界共通概念と思われるこの「ありがとう」。実は、「ありがとう」という言葉が存在しない言語があることを、みなさんご存知でしたか?
私も、今日、ダニエル・L・エヴェレット著の「ピダハン ―「言語本能」を超える文化と世界観」という本を読んで、はじめて知りました。
アマゾンの奥地に住む、少数の原住民、ピダハン。文明に左右されず、古来さながらの独自の生活スタイルを維持する彼らの言葉には、なんと「ありがとう」が存在しないのだとか。
例えば、誰かに何かプレゼントした場合、プレゼントをもらった人はどうするかというと・・
なんと、「いいですね」や、「わかりました」と答えるそうです。私達にとっては、少々驚きの回答ですよね。
ただ、これには後日談があって、プレゼントをもらった人は、後日、お返しのプレゼントをあげたり、何かの瞬間にその人を手伝って
あげたりすることで、感謝を表現したりするんですって。
忙しさの中で、言葉で「ありがとう」と言ったら、ついつい完結してしまいがちな私達の日常。
こころのこもった「ありがとう」に、行動での感謝をプラスアルファできる、こころの余裕を持ちたいなあと感じた瞬間でした。
色の名前も存在しなければ、右/左、そして数の概念も存在しないピダハンの文化。
世界には、まだまだ不思議がいっぱいですね。
「ピダハン ―「言語本能」を超える文化と世界観」
ダニエル・L・エヴェレット著
エリーザベト・ルーカス著 『ロゴセラピー 人間への限りない畏敬に基づく心理療法』
草野智洋・徳永繁子訳 (赤坂桃子 翻訳協力) 新教出版社
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