先日、精神科医の友人から、
「本棚の片付けをしたのだけれど、もし欲しい本があったら、いくらでも持っていってもいいよ」
との、本好きには、なんとも嬉しいお誘いを受け、喜び勇んで出掛けて行った時のこと。

そこには、興味深い専門書がいっぱい！幸せ気分もいっぱいな私が、本の山を楽しく物色していたら、
「これ、オリジナルは、確か日本の小説だよ。」と、友人が、一冊の本を手渡してくれました。

Die japanische Couch

カウチというぐらいだから、フロイトか？精神分析関連かな？と思いながら、あらすじを読んでみると・・・、
あらら、お久しぶり、Dr.伊良部さんではないですか！？こんなところで出会うとは！

そう、それは、奥田英朗の小説 イン・ザ・プール のドイツ語版でした。

伊良部総合病院の御曹司で、色白で、ややぽっちゃりな精神科医。ここまで聞くと、まあ普通なのですが、
その神経は計り知れず図太く、まるで子供がそのまま大人になったような、破天荒ぶり。
おまけに、マザコンで注射フェチときた。どっちが、精神科医で、どっちが患者なんだか・・。

そんなＤｒ.伊良部に振り回されているうちに、患者さんの悩みがいつの間にか和らいでるなんて、
一体、名医なのか、ヤブなのか。（笑）　その治療!? には、大いに、笑わされました。
こんな、コメディな小説も、ドイツ語訳されているんですね。

Dr.伊良部シリーズは、計3冊出版されているんですが、ちゃんと、３冊とも、ドイツ語訳で出版されています。
友人から、３冊すべて、もらっちゃいました。今度時間があったら、日本語と、ドイツ語、読み比べてみようかな。
日本語でも、サクサク読めるタイプの短編集だったので、ドイツ語学習にも役立つかもしれまんね。
あの面白味を、一体ドイツ語で、どう上手く表現するんだろう～。

「いらっしゃ～い！」と患者を出迎える Dr.伊良部の強烈なキャラには圧倒されますが、ただ、笑ったり、
スカッとしたい時にはお勧めの一冊です。機会があれば、ぜひ、手にとってみてくださいね。
悩んでいた肩の力が抜けるかも。

追伸: 私は、こんな強烈キャラではないので、安心してセッションにいらしてくださいね。
　　　　「いらっしゃ～い！」とは言いませんが、笑顔でお出迎えします。

　　　           
  イン・ザ・プール　　　　　　　　　　　 Die japanische Couch　
　奥田英朗 著

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