今日は、ご好評頂いているエニアグラム講座、入門編の追加講座でした。
ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました!
その講座の際に、"9人が同じ条件下で、口々に「不安だわ~」と言っている場合、一見、皆が同じ不安を抱えているように
感じてしまいますが、各々が感じてい る不安は、実は "別物" であり、9つのタイプが心配や不安を覚える原因は様々なんですよ"
とお話しました。そのコメントをしながら、ふと頭に浮かんだ本。(←決して、セミナーに集中していなかった訳ではありません!)
「犯罪」 フェルディナント・フォン・シーラッハ です。
たった200ページ余りに、11作のさまざまな形の犯罪が、短編集として納められています。
著者のシーラッハさんは、ベルリンで活躍する、現役の刑事事件弁護士さん。彼の書く文章は、極めて簡潔でシンプル。
淡々としていて、無駄な装飾がないからこそ、目の前に鮮やかに拡がってくる世界観は、まさに圧巻です。
事実に基づいているらしいのですが、どこまでが実話で、どこからがフィクションなのか!
ここに収められたお話を読んでいる間は、人々を、事件を起こしてしまった「犯罪者」というフィルターを通じてではなく、
犯罪を犯してしまった「人間」として、その人の人生の物語に、寄り添うことができるでしょう。
また、エピグラフとして添えられている、ハイゼルベルグの言葉が印象的です。
私たちが物語ることができる現実は、現実そのものではない。
ヴェルナー・K・ハイゼルベルグ
ニュー スを聞いて、事件を理解した"つもり"になること、事件を起こした人、法を犯した人=「犯罪者」と一つのくくりで見てしまうことは
簡単ですが、このバラエティ豊かな11種類の物語は、普段、私達が見慣れている犯罪の正面を向いた顔のみではなく、そのよこがお
を垣間見せてくれます。そのよこがおは、見慣れた顔とは、また違った印象を届けてくれること、そして、当事者にしか分からない真実
が存在することを気づかせてくれます。犯罪は、私達の周りにも、常に紙一重の可能性で存在していることも・・・。
「犯罪」は、昨年読んで印象に残ったお勧め本です。
毎年ついつい、おもしろ本を探して、発表をチェックしてしまうこのミス2012年の海外部門でも、第2位に選ばれていました。
もし、機会があったら、皆さんも手にとって読んでみてくださいね。感想、お待ちしています。
"Tipp" - すべてのお話にさりげなく登場する "りんご" 探しもお忘れなく!
収録作品「ハリネズミ」は、少し難しいですよ~。
犯罪 Verbrechen: Stories
著
= おしらせ=
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